ゆっくりと慎重に、4人は地下へと降りていく。

どこまでも続くように思えた梯子も、ついに終わりを迎えた。

地下には電気が通っているのかところどころに明かりがともっている。

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「これから僕たちはどうしたらいいんだろう？病院を出るのもはじめてだし……」
ハレが不安気に囁くと、地下道に声が反響した。

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「大丈夫、ハレとなら……私たちならなんとかなるよ」
ユキがおそるおそる地下道を進んでいく。

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「ここはどこでしょうか？病院は、マリス先生は無事でしょうか……」
ホシノがタイヨウを見てそう言った。

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「あんな奴の話は忘れろ！あいつは俺たちの宝物を盗んだんだぞ！！」
タイヨウが思い出したように声を荒げた。

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―――地下道の奥から、足音が聞こえてくる。

それもひとつやふたつではない、十はいるであろう人間の足音だ。

本能が逃げろと警告する。逃げ場所を探しまわりを見るが、4人が来た梯子しか道は無い。

小さな子供なら入れそうな箱が捨てられている。
ハレとユキは、話し合いもせずそれが年上として当然の行動だと考えた。

ホシノとタイヨウを箱に押し込み「絶対に声を出すなよ」とだけ告げてふたを閉める。

数秒後、兵隊のような恰好をした者たちがハレとユキの前に現れた。

言葉は通じないが、危害を加える気は無さそうだ。
ふたりを拘束し、兵隊は地下道を去っていった。

 

 

2035年　某国の研究施設を爆撃。広大な地下施設を発見し、そこにいた被験者二名を確保。

2036年　被験者二名（ハレ・ユキ）が生物兵器開発研究チームへ加わる。

2039年　第三次世界大戦勃発。

2042年　世界人口が半分に。

2044年　ハレとユキがウィルスを完成させる。

2045年　生物兵器開発工場が爆撃を受け、ウィルスが蔓延

2046年　世界人口が一割に。

2047年　ウィルスは衰えることなく、世界中へと波及。

2048年　世界中の経済が完全に止まる。

2049年　日本各地で、ウィルスに抗体を持つ人が現れる。

2050年　日本人口が約10万人に。

2100年　日本中に波及したウィルスは「マリス」と呼ばれ、大気を紫色に輝かせていた。

2101年　残された人間は日本各地で集落を作り、少しずつ発展していく。

2500年　日本人口は100万人に、旧文明の科学などを生かしながら文明を少しずつ取り戻していく。

2800年 「福岡」「大阪」「北海道」「名古屋」「東京」にそれぞれが統治国家を建設。

2850年　旧「東京」に建国された【東京国】の人口が、20万人に。

3000年　「マリス」を根絶やしにし、寿命を取り戻すため様々な研究が【東京国】で行われる。

　　　　　結果、科学力に特化した合理的な国へと発展を遂げた。

 

3048年

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「荒廃のマリス」  へ続く。

 

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