（ストーリー）
私は、田舎の村で生まれた。
お金のない村だったが、その中でも自分の家は際立って貧乏だった。
ろくに学校も通えず、幼いころから仕事を手伝っていた。
だから、言葉も全然知らないし、特段なにかが出来る訳ではない。一生この暮らしをするしかないのだろう。
「占いによると、この村に伝説の僧侶の生まれ変わりがいるらしい！」
突如王国の兵士が村やってきて、私を連れていこうとした。
母は反対し、抵抗しようとしたが、私は違った。王国から提示された金額、それがあれば母がどれだけ楽に暮らせるのか、馬鹿な私でもそれくらいはわかった。
なんでもいい、自分の力が役に立つのなら、そう思い私は王国へと行くことにした。
その後、王の命令で、勇者様と一緒に鍛錬を積むことになる。
彼は孤独で、でも優しくて、王国に来てどんな辛いことが待っているのかと恐れていたけど……ただただ楽しかった。
そして、魔王討伐の旅へと出る事になる。
トナエル、王家からそいつを連れて旅にでるように命令され、私たちは3人で旅をする事になった。……キルオとふたりで良かったのに。
トナエルは自分勝手で横暴で、なんでも思い通りになると信じている、そんな奴だった。
王族の血を引く彼に逆らえば、どうなるか。きっと、母もただでは済まないだろう。
それを良い事に、トナエルは私に次々とくだらない命令をしてきた。
彼は私の事が大層気に入ったようで、キルオの目が届かないタイミングで襲われそうになった。
「トナくんの事が好きだから、結婚するまで抱かれたくない」みたいな、その場しのぎの嘘を吐いた。
それから私は、こいつの「恋人ゴッコ」に付き合う事でなんとか誤魔化している。
トナエルは、頭も良くて顔も良くて血筋も良いのだろう。でも何でも思い通りにしてきたトナエルには、人の気持ちを察するという、一番大切なものが欠けていた。
私の幸せは一瞬だった。キルオとふたりで過ごした短い日々。
でも、そんな事は覚悟をして村を出てきた、今までが出来すぎていただけ。このくらい耐えて見せよう。

​

（目標）
旅の途中で死んでくれたら良いと思っていたが、トナエルは思っているより強かった。
普通に戦闘すれば、私よりも強いだろう。
とはいえ、ずっと一緒に旅をしている以上、殺そうと思えば殺すチャンスは何度でもある。
しかし、殺した事が王家に知られれば、死刑は逃れられないだろう。
なんとかして事故に見せかけて殺せないものか？
そう思いながら日々過ごしていたが、それが今日叶いそうだ！

あなたの目標は以下になる。
・あやつり人形の呪いを解く。
 

​

（僧侶の能力）
・体の一部を触れる事で回復させられる。
・自身にかけられた呪いを感知する事が出来る。（秘密！）

​

（昨夜の出来事）
22:00~
巨大な人形の討伐を終え、三人は宿屋へと戻ってきた。
私は、自身が「あやつり人形の呪い」にかけられた事に気付いている。
これを使って、トナエルを殺してやろう。
22:05~
トナエルの部屋に呼ばれている。
心の底から嫌だったが、今日で最後だ、我慢しよう。

22:10~
「ご苦労、アレアノ」
トナエルが、偉そうに足を組んで椅子に座っている。
「うん！トナくんも凄かったね！」
作り笑いだけは上手に出来る、……嫌な特技だ。
私はトナエルの従者のように、彼にワインをお酌する。その際「睡眠薬」を混ぜて置いた。

これで眠ったトナエルを呪いが殺してくれるはずだ。
「最高の味だ！知っているかアレアノ、このワインは王家伝統の～～」
お酒を飲んで気持ちよくなったのか、ワインうんちくを語りだした。
私は記憶力が良く、一切興味ない話でも、聞かされると覚えてしまう。
こいつのせいで、無駄にワインの知識に長けていた。
だからこそ気付いてしまう、このうんちくを聞くのは二回目だと。
さすがのトナエルも同じ話を二回する事はなかった、脳みそ大丈夫か？こいつ。
22:20~
「それはそうと……アレアノ」
ワインのうんちくを一通り話し終えると、トナエルが私に触れてきた。
腕をひっぱられ、抱き寄せられそうになる。
「……いやっ！！」
私はトナエルを突き飛ばしてしまった。トナエルの眼光が鋭くなったのを感じる。
彼が何かを言い出す前に、私が言い訳をはじめる。
「あの……あれ！結婚するまではダメだって……！」
わざとらしく顔を赤くし俯いてそう言う。

前も同じように襲われかけた、こいつは猿なのか？

「……そうか、悪かった」

意外と素直に聞いてくれた、30分もすれば睡眠薬が効いてくるはずだ。

30分後にまた部屋に来る口実を作ろう。

「あの……えっと、シャワー浴びてきて良い……？ちょっと考えさせて欲しい……」

私がそう言うと、トナエルはふたつ返事で了解してくれた。

22:25~
トナエルの部屋を出た。私は逃げるように自分の部屋へと帰っていった。
22:30~
自分の部屋に戻りシャワーを浴びる。手が少し震えていた。
……人を殺す、その覚悟は決めていたがやはり怖いものだ。
でも、あんなやつ殺されて当然だ。私は息をゆっくり吸って心を落ち着かせ、準備を整えた。
23:00~
トナエルの部屋へ向かう。ドアをノックするが、返事はない。眠っているのだろう。
ここからは「あやつり人形の呪い」にまかせよう。
23:05~
トナエルは眠っていた。私は抱かれずに済んだ事に安心し、部屋を出ることにした。
23:10~
トナエルの部屋を出た。
……おそらくトナエルを殺し、記憶が書き換えられたのだろう。
キルオは私よりも遥かに強い。彼とふたりきりになって呪いが発動することはない。
23:15~
部屋へ戻り、眠りについた。

​

（禁止事項！！！）

あなたは「あやつり人形の呪い」を利用し、トナエルの殺害を計画した。

呪いを感知できていた事は、最後まで隠さなければならない。

これは呪いによる事故なのだから。

​

（行動の指針）

隠さなければいけない情報はほとんど無い。

情報を出しながら、この時に呪いが発動し、トナエルを殺したのかもしれない！

となるように話し合おう。