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​臆病そうな女

「ハツ」

キャラクターシート

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(ストーリー)

小さい頃から、周りに怯えて生きてきた。他人の目が気になり、多きに従ってしまう。

きっかけは何だったのだろう?

厳しい親の教育、男みたいな名前だといじめられた小学時代、もって生まれた性格?

今となれば私がこうなった理由はもうわからない。全部が原因かもしれないし、どれでもないのかもしれない。

ただ、そんな臆病な私が変わるきっかけになったのが、マスコットだ。

趣味で作った着ぐるみ。それを着ている間、私は何にだってなれた。

ボイスチェンジャーで声を変え、自分じゃない人気者になる。

何も怖くない!誰も怖くない!私は生まれてはじめて自由になれた気がした。

 

そこからは、あっという間だった。

気付けば日本で一番有名なマスコットになり、私に憧れ多くのマスコッターが現れた。

そう、私の名前は「夕鳶ハジメ」。

始まりのマスコット、イバラユーギの"中の人"だ。

休む暇もない日々、それでも私はイバラユーギにさえなれればなんて事無かった。

けど、その鎧を脱げば、私は変わらず臆病で、一生遊んでも使いきれないくらいのお金があっても自分の本質は変わらないまま。

……当たり前だ。

まわりが見ているのは、みんなが評価しているのは、私じゃなくて、イバラユーギだから。

私は知りたくなった。マスコッターの鉄の掟、暗黙の了解を破ってでも。

「"中の人"がバレたとしても人気のままでいられるのか?」

中の人が評価されれば、きっと私の臆病な性格は治るだろう。

でも、自分を晒す勇気はでない。なら、誰かをイバラユーギの中身だと詐称して晒してしまおう。

―――こうして、あなたは今回の犯行を計画する。

 

(マスコット)

【イバラユーギ】

手の形を見ていたら鬼に見えてきて、何となくそれを形にし、生まれたマスコット。

老若男女問わず大人気。始まりのマスコットと称される。

 

(目標)

犯行翌日、イバラユーギの評価は地に落ちていた。

あなたは、絶望すると同時に決意する。

こいつら全員を晒し上げ、マスコット業界にピリオドをうってやろう。

私は始まりのマスコットであり、終わりのマスコットになるんだ、と。

あなたの目標は以下になる。

・犯人でありイバラユーギである事を隠し通す。

・全員のマスコットと中の人を一致させる。

 

(計画内容)

イバラユーギの中の人として晒しあげる奴は、正直誰でも良かった。

ダーティーの中の人、彼を選んだのは、一番頭が悪そうだったのと……昔自分をいじめていた奴にどことなく喋り方が似ていたから。

計画は単純で、失敗しても構わない程度の曖昧なもの。

それがここまでうまく行くとは思ってもいなかった。

(昨夜の出来事)

22:00~

「お疲れ様です!マスコッターの皆さんは、特別に最上階をご用意しています。お部屋も別々に取ってありますので、おくつろぎ下さいませ」

黒服を着た男が深々と頭をさげ、食堂に集まったマスコッターの前から姿を消した。

 

その瞬間、私のまわりに他のマスコットが集まってきた。

みんな私に憧れているのだろう。ひとりずつ話しかけてきたので、それに答える。

……憧れているのは私じゃなくて、イバラユーギか。

そんな中で、ひとりだけ明らかに頭の悪そうなやつがいた。

ダーティーだ。

「う、うっす!自分イバラさんに憧れてマスコッターになって、一緒に仕事できて……感激っす!」

他のマスコッターは、こんな時でもキャラを忘れずに話しかけてきたのに、こいつは完全に中の人が出ている。

プロ意識の低さを感じると同時に、ターゲットとしては一番適任だと感じた。

「……おこおこ。ねぇダーティー、後でプレゼントがあるから部屋番号教えてくれない?」

「え!!まじっすか!?で、D号室です!!」

……よく今までマスコッターやって来られたな、こいつ。

23:00~

「おこおこー!そろそろ皆お部屋に戻ろっかー!」

私がそう提案すると、少し残念そうに談笑が終わる。

「5分ごとに食堂をひとりずつ出ていこう!誰がどの部屋かわからないようにしなきゃね!」

ダーティー>プリティキッス>バクバくん>マスクドジャガー>イバラユーギ

の順番で食堂を出る事となった。

23:05~

ダーティーが部屋に戻った。

23:10~

プリティキッスが部屋に戻った。

23:15~

バクバくんが部屋に戻った。

それと同時にマスクドジャガーが話しかけてきた。

「イバラユーギ。貴様のマスコット、少しほつれているぞ」

マスクドジャガーが私の頭部を指さした。

「おこおこ!?明日イベントがあるのにどうしよう!?」

明日私がマスコッターをまだ続けている保証はないけれど、ついそう答えてしまう。

「吾輩、手直しの技術は相当なものだ。ホテルスタッフを使って部屋にマスコットを送って貰えれば、朝までには直して返しておくぞ!」

マスクドジャガーが自信満々にそう言った。

臆病な私でも、優しいイバラユーギでも、人の好意を断ることはしない。

「おこおこー!ありがとー!じゃあ後でスタッフに連絡して持って行って貰うね!」

私はそう返事をした。

23:20~

マスクドジャガーが部屋に戻った。

23:25~

私も食堂を後にした。

23:30~

A号室、と書かれた部屋に辿り着いた。

私はマスコットを脱ぎ捨て、専用のケースへと入れ。

そしてもうひとつ用意していたイバラユーギのマスコットを取り出す。

ここからが、計画の概要だ。

「おこおこー!イバラユーギだよ!今日はありがとう、共演者の君にプレゼント!

イバラユーギのマスコットです。昔使ってたやつでお古だけど、良かったら貰ってください」

このメッセージと共に、ダーティーがいるD号室の前に私のマスコットを置いておく。

ダーティーは喜ぶと同時に、イバラユーギへの憧れでこれを着て見たくなるはずだ。

そこでイバラユーギの瞳に仕込んだカメラがその姿を映し出し、私の携帯へと自動送信してくれる。

それをネットに晒して計画完了だ。

23:45~

準備完了だ。

私は台車の上にお古のイバラユーギを乗せ、シーツを被せ、ロープで縛った。

ゆっくりと部屋のドアを開けて周りを見渡す。誰もいない事を確認すると台車を転がしD号室へと向かった。

23:50~

ガラガラガラ。

D号室へ向かう途中、人の気配を感じる。廊下の奥から、体格の良い男が歩いてきた。

私と同じように、台車にシーツを被せて運んでいる。

「……あまり話かけるのもタブーだろうが、無視するのも少し気まずいな。お疲れ様」

体格の良い男はそう一言だけ残して頭を下げた。

「お、お疲れ様です」

私は目もあわさずにそう言い、彼とすれ違う。

彼の転がしていた台車もおそらくマスコットだ、どこに行っていたのだろう?

23:55~

D号室へと到着する。部屋の前にそれを置き、チャイムを鳴らした。

そのまま急いでそこから去る。後は計画が成功するように祈るだけだ。

24:00~

部屋に戻るには食堂の前を経由しなければならない。

食堂から声が聞こえてきた。

夜はバーとしてお酒を提供しているらしい、誰かが飲んでいるのかな?

私は気付かれないように自分の部屋へと向かった。

24:05~

A号室へ着く。マスクドジャガーとの約束を思い出し、スタッフに電話をかける。

「あ、あの、マスクドジャガーさんの部屋に届けて欲しいものがあって……」

「お伺いしております。私共スタッフ、マスコッター様の守秘は徹底しておりますのでご安心ください。すぐに受け取りに参ります」

24:10~

黒服が部屋に来た。

マスコットにシーツを被せて渡す。丁寧にそれを台車に乗せ、スタッフ専用の通路へと運んで行った。

24:35~

シャワーを浴び、休んでいるとチャイムが鳴った。

修理されたイバラユーギをホテルスタッフの黒服が持ってきてくれた。

プロ顔負けの完璧な裁縫技術だ。それをケースにしまい、鍵をかける。

24:40~

携帯にメールが届いた。

急いでメールを開く。その完璧すぎる写真に笑ってしまう。

チャラそうな男が、イバラユーギを半身だけ身に着け、お酒を片手に嬉しそうにイバラユーギの頭を見つめている。

後はこれを晒して世間の反応を見るだけだ。

私は静かに眠りについた。

 

(固有情報)

C号室を見に行った時、カバンから可愛らしいぬいぐるみが見えた。

他の人は気付いていなかった様子だ。

(行動の指針)

あなたはマスコット業界に絶望し、ピリオドをうつつもりだ。

どうにかして全員のマスコットと中の人を一致させなければいけない。

まずはマスクドジャガーが見つけやすいのかもしれない。

イバラユーギ 2019.10~

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