感染拡大!マーダーミステリー!
プレイ人数:5人専用
プレイ時間:約2時間
少し短めのマーダーミステリーです。
ゲームマスターは不要で、プレイヤーが、5名必要になります。
それでは、以下のキャラクター説明を読み、任意でキャラクターを選んでください。
某国某所にある研究施設。
ここでは極秘裏に「ゾンビウィルス」の研究が行われていた。
【才色兼備の完成者】
神代サイカ(かみしろ さいか)
何かを完成させる事に置いて、この地球上で彼女の右手に出る者はいないだろう。
1を100に、百を億に、改良する天才。
しかし、彼女の能力は何かを生み出すものではない。
創り手には成れず、だからこそ、それに対してコンプレックスを抱いている。
【無償の愛と有償の罰】
マザーフェイス
大昔、那由多を越える確率の彼方で、無から宇宙が誕生した。
マザーフェイス、彼女が産まれたその確率も、それに等しい程の奇跡だろう。
彼女はゼロから何かを創り出す、創造の天才だ。
自分の作品を自分の子供のように愛してやまない事から、マザーと呼ばれている。
その一方、それを汚す者に対しては、私財を投げ捨ててでも報復を与える。
【不幸こそ幸福、幸福こそ不幸】
夫丈ジョー(ふじょう じょう)
優しい両親、可愛い幼なじみ、苦楽を共にした仲間。絵に描いたような幸せな人生を彼は送ってきた。
彼には才能があった。調査の才能、調べる天才。しかし何か満たされない。
調査の結果、彼はその足りないものに気付く。
「幸せな奴が研究者として成功するか?俺の憧れた研究者たちは、みんな狂っていたし凄惨な人生を送っていた」
彼は思った。幸せってなんて不幸な事なんだ。
―――。
「夫丈ジョーだな、両親及び隣人の殺害、××学園放火の容疑で逮捕する。と言いたい所だが、お前の才能は世界にとって捨てがたい。我々の研究所で罪人として奴隷のように働いて貰おう」
夫丈ジョーは笑った。やっと不幸になれる!なんて幸せな事だろう!
【雨でも死なず風邪でも死なず】
長命ムテキ(ちょうめい むてき)
人には抗体を作りだす能力がある。
誰しも持っているものだが、彼のそれは圧倒的だった。
どんなウィルスでも、一瞬で抗体を作り出し、治療してしまう。
そんな彼が人体実験の道具として世界中から狙われるのは当然の出来事で。
モルモットとしてどんな酷い扱いを受けてもおかしくない中、この研究所に研究者として来られたことはラッキーだったと言えよう。
【チャームポイントは瞳】
ギョウ・ヲコタルナ
ギョウは目が良かった。
小さな変化、他と違うところ、違和感、隠れていそうな場所、そういう事がなんとなく分かってしまう。
彼は発見の天才だ。
彼が見つけた新種のウィルスは、現存するウィルスの七割を超えている。
だからこそ、常に新しいものを追い求め、古いものには興味を失くしてしまう。
―――。
そのウィルスが、どこに行き、誰が手に入れ、何に使われるのか?
研究者にとって、それらは些末な事だ。
奴らは皆、ベクトルこそ違うが、一様に狂っている。
見つけ、生み出し、改良し、調べ、実験する。
それさえ出来れば、他はどうだっていい。
その繰り返しの果て、ついに完成させてしまう。
「ゾンビウィルス」
こいつに感染した人間は感染から数時間で、思考が止まり痛覚を失い体が腐り始め仲間を増やすためだけに動く。
……そう、ゾンビになるのだ。
五人の研究者たちは、それぞれ様々な感情ではあったが、手を取り合って喜びをわかちあった。
事態が急変したのは、次の日の朝。
「ゾンビウィルス」を閉じ込めたカプセルが消えていた。
地図には存在しない極秘裏の研究所、研究内容の危険性の高さからも、ここには五人しか立ち入ることが出来ない。
犯人は間違いなくこの内の誰かだろう。
最初に切り出したのは、長命ムテキだった。
「明日には偉い奴らが来る、どうせすぐに犯人は見つかる。ここから出ることも出来ない、放っておこう」
「ムテキ……それはできません」
マザーフェイスが長命ムテキの話に割って入った。
「ゾンビウィルスは、私が生み出したかわいい子供なのです。犯人はすぐに見つけて殺しましょう?」
「私"たち"のだろ!!てめぇーひとりが創った訳じゃねぇーんだ!殺すぞ!!
……失礼。そうね、マザーの意見に同意するわ。犯人は見つけて反省させる、ちゃんとしなきゃね」
神代サイカが澄ました顔で、そう言う。
「どうせなら犯人で実験しようぜ!ムテキは抗体をすぐ作るから、本当の意味での調査は出来てないしなぁ~」
夫丈ジョーは嬉しそうだ。
「なんだって良いし、もう完成したものに興味はない。それに、僕にかかればすぐに見つかるよ」
ギョウ・ヲコタルナが、静かにそう言った。
こうして、あなたたちは消えたゾンビウィルスを探すことになった。