「ハレ」
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「ハレ」
「賢者の石が盗まれた!!」とタイヨウが病室で騒いでいる。タイヨウが持って来た箱の中身は空っぽだった。
箱は土が被っている。どこかに埋めていたのだろうか?
そういえば三日前、タイヨウが中庭で何か掘っていたような気がする。
賢者の石が何なのか、僕には良くわからないがタイヨウは怒りで興奮しているし、ホシノも酷く動揺しているように見えた。
タイヨウが言っているように、もしも誰かが盗んだのだとしたら、きっと何か理由がある。
せっかく家族みたいに一緒に過ごしてきたのに、こんな事で終わりたくない。
そのためには、タイヨウの話をちゃんと聞いて、盗んだ犯人を見つけないと。
昨日僕が勘違いしてユキに怒ってしまったのも、みんなで協力して、解決できた。
盗んだ人を見つけ、ちゃんと謝らせよう……きっと大丈夫だ。
(目標)
賢者の石を盗んだ犯人を探しだす。
【昨日(7月6日)の出来事】
◆6時頃~
僕のために4人でペガサスについて調べた。ペガサスは……もういない。
◆8時
白衣を着た男に呼ばれ学習室で勉強をする。今日監視しているのはその男だけだった。
◆12時
勉強を終え、4人で病室へ戻ってお昼ご飯を食べる。
◆13時~
僕は少し気持ちを落ち着けたくて、病室を出て中庭へと向かう。
ペガサスがいなくなった事を思い出して泣きそうになったけど、空を見て涙を我慢した。
◆15時~
目を閉じたらペガサスとの思い出がずっと繰り返し流れてくる。駄目だ、ここにいたらすぐに泣きそうになる。
学習室に行って少し勉強をしようと、中庭を後にした。
病室にはホシノがひとりでいた。何か探している様子だった。
僕は学習室へ入り勉強をする。ただでさえ年下のユキに評価点で負けているんだ、頑張らなきゃな。
◆16時~
自習を終え病室へ戻ると、ホシノとタイヨウとユキがいた。
◆17時~
白衣を着た大人に呼ばれ全員で学習室へ、白衣を着た男から監視されながら勉強をする。
◆21時~
全員で病室に戻り、晩御飯を食べた。
◆24時
眠れなかった僕はこっそりと病室を抜け出した。
……ペガサスは寿命で死んでしまった。
その事は理解できたし、これ以上みんなに心配させられない。でも、最後に夜空を見上げてお別れがしたかったんだ。中庭に行き、ぼんやりと空を見上げているとユキがきた。
ペガサスと話せる魔法が使える、なんて嘘をつかれたと勘違いし、ユキに怒ってしまった。
みんなでユキが嘘をついていないと証明してくれた。
◆25時頃
全員で病室に戻り、眠りについた。