「タイヨウ」

 

9歳のタイヨウだ！ホシノと同い年だけど、俺の方が2か月早く生まれてるから一番年下はホシノだ。

俺らと同い年くらいの子供もたくさんいたんだけど、みんな退院しちゃった。

 

同室にいる3人、ハレとユキとホシノは、生まれた時からずっと一緒。

ハレは最年長の11歳。兄貴みたいで優しくて、頭も良いし困ってたらいつも助けてくれる。

ユキは10歳。めちゃめちゃ美人だし、評価点も常に一位の天才だ。ホシノも見習ってほしいもんだね。

ホシノと俺は、同い年……まぁ俺の方が年上だけど？年齢的には同い年だから、一緒に遊ぶ事も多い。

手先が器用で一緒に折り紙してたら、めちゃめちゃ凄い物を創ってきたりする。

俺も何か創ったりするのは大好きだから、ホシノと遊ぶのは楽しい。……別に好きとかじゃないからな。

 

……ハレは最近悩んでいるみたいだ。たまに空を見上げて溜息をついてたりする。

何かあったのかな？俺で良ければいつでも助けになるぜ！

 

大人はみんな、機械みたいに冷たい目で俺たちを見てくる。もう慣れたけどね。

でも、ひとりだけ変な大人もいる。俺たちの指導係を務めている隅空マリ（すみぞらまり）先生。

他の大人と違い、俺たちが何かするとすぐに「そんな事しちゃだめでしょ！」と怒ってくるんだ。

 

ハレが「英語の辞書でmaliceって言葉を見かけた。悪意、って意味らしい」と教えてくれた。

俺たちは4人で「いつも怒っている隅空先生のことだ！」と笑い合った。それから、マリ隅空→マリス、みたいな連想で、マリス先生と呼ぶようになった。

先生の前でそう呼ぶと、更に怒られるんだけどね。

 

―――ある日、ハレが、俺たち3人に暗い顔で相談してきた。

 

「実は、みんなに内緒にしてることがあってね」

 

なんだろう？最近悩んでいた事と関係あるのかな？

 

「中庭でこっそりペガサスと会っていたんだ。でも、最近来なくなっちゃって……ペガサスが困っているなら助けてあげたい。何があったか知りたいんだ、協力してくれない？」

 

良く分からないけど、ハレが困っているなら、助けるに決まってる！

俺に任せてくれ！

​

 

（目標）

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ペガサスが消えた原因を探す。