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第二章「ユキと最後の魔法」
「こら!何してるの!こんな時間に出歩いたらダメでしょ!」
―――マリス先生の声だ!
4人は慌てて逃げようとするが、もちろん逃げ場所などなく、あっけなく見つかってしまう。
ハレ「マリ……先生!ごめんなさい、どうしても調べたい事があって、一番年上の僕がいながら勝手に出歩いて……みんなは悪くないんです!」
ハレが、頭を下げて謝った。
ユキ「マリ……先生。私が言い出したんです、嘘じゃないと証明したくて必死だったんです」
ユキも、素直に謝る。
ホシノ「マリ……先生。お叱りは後で受けるので、ユキが嘘をついてないって一緒に証明して欲しいです」
ホシノも真っすぐな姿勢で頭を下げた。
タイヨウ「マリス……じゃねぇや、マリ先生!!ハレとユキが仲悪くなったら先生も嫌だろ!?頼むから手伝ってくれよ!!」
タイヨウが両手を合わせ懇願する。
そんな4人を見てマリス先生は、呆れたように笑った。
「誰がマリスですか!あとで反省文を2枚書いてもらうからね?……とりあえず、ユキの話を聞きましょう」
ユキが魔法を使えると言ったのに使えなかった事、資料室にあったユキに関するカルテ、図書室にあった魔法使いについての本。
4人が病院内で調べた情報から、すでに答えは分かっていた。
ユキは本当に魔法使いで、10歳を迎えて魔法が使えなくなってしまったのだと。
マリス先生は、「これで誤解が解けた?ユキがハレに嘘をつく訳ないのにね」と意地悪く言った。
ユキは頬を赤らめ病室に戻る。今度こそ本当に4人は眠りについたのだった。
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