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第一章「ハレとペガサス」
「こら!何してるの!勝手に図書室に入っちゃダメでしょ!」
―――マリス先生の声だ!
4人は慌てて逃げようとするが、もちろん逃げ場所などなく、あっけなく見つかってしまう。
ハレ「マリ……先生!ごめんなさい、僕が手伝ってくれってお願いしたんです。みんなは悪くないんです!」
ハレが、頭を下げて謝った。
ユキ「マリ……先生。ハレが困ってたから助けたかったの。無断で図書室に入ったのは私も一緒です」
ユキも、素直に謝る。
ホシノ「マリ……先生。後で怒られるから、ハレの話を聞いてあげて欲しいです。お願いします」
ホシノも真っすぐな姿勢で頭を下げた。
タイヨウ「マリス……じゃねぇや、マリ先生!!俺からも頼む!!ハレが困っているんだ!」
タイヨウが両手を合わせ懇願する。
そんな4人を見てマリス先生は、少し笑い、それを隠すように口を開く。
「誰がマリスですか!あとで反省文を書いてもらうからね?……とりあえず、ハレの話を聞きましょう」
ペガサスがいなくなった事、ペガサスは怪我も病気もしない事、ハレがはじめてペガサスと出会ってから3年程経っていた事……ペガサスの寿命が約3年で、誰にも悟られないようにひっそりと死を迎える事。
4人が図書室で調べた情報から、すでに答えは分かっていた。
でも認めたくなくて、マリス先生ならもっと素敵な答えを与えてくれると信じて、問いかける。
マリス先生は、静かに首を振り「ペガサスのお墓、作ってあげようね」とハレに言う。
ハレは頭が良いからマリス先生の言葉の意味は当然理解出来ているが、何も答えずに走り去った。
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