感染拡大!ソーシャルゲーム!
*感染拡大!マーダーミステリー!プレイ済みの方のみ御覧ください!
地平線の彼方から、光が差し込んで来る。
動物たちが騒ぎ出す。闇で覆われた密林に、朝が来たようだ。
私は、この森の王。鋭い爪とくちばしを持ち、橙色の羽を広げればどこまでも飛べる。
獰猛な肉食獣であろうと、私にとっては捕食の対象にすぎない。
圧倒的な力を得てしまうと退屈なもので、この日も私は一番高い場所で羽を休め、森の中を覗いていた。
草木生い茂る森林の片隅に、突然空気が勢いよく吹き出し、辺りに砂埃を舞わせる。
その異様な光景に私はすぐさま近くの大木へと移動した。
間もなく機械音と共に地面が開き、そこから5人の人間が現れた。
人間は何度か見たことがあったが、どれもそこまで美味ではなく、食事としての興味は無い。
だが、地面からの来客は初めての事だ。私は彼らを観察する事にした。
「うん、図面の通りこの出入り口で正解みたいだな。カメラにも細工して来たし、上層部が来るまで残り12時間くらいは余裕があるかな……」
ひとりの人間が、何やら言葉を発している。
その男の頭は、私の羽と良く似た色をしていた。
他の4人は眠っているように微動だにしない。
内容こそ理解出来ないものだが、その男の危険性は一目で理解出来た。
本能が私に警告を送る。……死にたくなければあの人間にこれ以上近づくな、と。
生まれて初めて見た自分より強い生物。それに対する感情は、興味から「畏怖と敬意」に変わる。
有り難い事にあの人間はこの森から出たいように思える。
万が一にでもここに居座られたら生態系が壊れかねない。
「12時間歩けば、おそらく間に合うだろうけど……ちょうどいいな」
男が視線を空へ向けた、そう、私のいる大木の方へ。
―――死。
私の飛行速度を持っても数分、人間では到底たどり着けない高さにいる私に、一瞬視線を送るだけでそれを想起させた。
呼ばれるでもなく、私は彼のそばに降り立っていた。
「うわ、でかいなぁー!今まで見たどんな鳥よりでかくて美しい、なぁ頼み事があるんだけどいいかな?」
言葉は理解出来ないが、その規格外の生命体が求めている事はなんとなく分かった。
「ちょっと俺たちを乗せて、森の外まで飛んでくれないか?」
―――。
飛び続ける事数時間、私にとっては数人の人間を乗せる程度はどうということもなかったが、この男を乗せるのは命を握られているようで少々緊張した。
森の終わりまで着くと、おろすように促される。
「ありがとうな~!!」
男が腕をあげ左右に振っている。他の4人は相変わらず寝ている様子だ。
私は彼らが見えなくなるまで、ただ眺め続けていた。
この先には、人間が作った大きな壁で囲われた国がある。
おそらく、そこへ向かっているだろう。
貴重な出会いに感謝しよう。私のようなちっぽけな存在が言うのもおかしな話だが、彼らの旅路に加護がある事を祈っている。
プレイ人数:5人専用
プレイ時間:約1時間30分
少し短めのマーダーミステリーです。
ゲームマスターは不要で、プレイヤーが、5名必要になります。
某国某所にある巨大な壁。
ここは「絶対中立都市マナカ」ひとつの町が独立し建国したという珍しい国だ。
【改良ゾンビ】
神代サイカ(かみしろ さいか)
思考を失い、ただムテキに従うだけのゾンビだ。
【創造ゾンビ】
マザーフェイス
思考を失い、ただムテキに従うだけのゾンビだ。
【調査ゾンビ】
夫丈ジョー(ふじょう じょう)
思考を失い、ただムテキに従うだけのゾンビだ。
【発見ゾンビ】
ギョウ・ヲコタルナ
思考を失い、ただムテキに従うだけのゾンビだ。
【ゾンビの王】
長命ムテキ(ちょうめい むてき)
ゾンビたちの王。
―――。
「ようこそ!絶対中立都市マナカへの入国希望で宜しいですか?」
巨大な壁の下、入国管理官と書かれたバッジを付けた青年が、そう尋ねる。
そこには、五人の男女が並んでいた。
「知っているとは思いますが、この国は一度入国すると二度と出国する事は出来ません。入国するのに必要なものは、何もありません。ご本人の意思さえあれば」
入国管理官が続けてそう言う。
「もちろん!入国希望です!」
ムテキが満面の笑みでそう答える。
「えーっと、お連れの方はどうでしょうか?」
入国管理官が、まるで意志を持たない人形のような四人を見て、不思議そうに言う。
(もちろん!入国希望です!と答えろ!!)
ムテキがそう心の中で唱えると、四人は声を揃え叫ぶ。
「「「「もちろん!入国希望です!」」」」
こうしてあなたたちは、絶対中立都市マナカへと入国することになった。
[App Store]と[Google Play]にて、
マーダーミステリーシナリオ配信アプリ【マダミ屋】で配信予定!!